ものすごく暑い毎日が続いていますね。
暑すぎて30℃で今日は涼しいね〜、なんてちょっとおかしくなったことを言ったりしているのではないでしょうか。
そんな暑い日、やっぱり外に出たくない!!!
というわけで、冷房を26℃に設定して、キンキンに冷やした麦茶に氷を入れて、グラスからコップの水滴が大量に垂れるのをものともせずに、お部屋に引きこもるときにお供にしたい映画をいくつか紹介したいと思います。
(各作品のサムネイル画像をクリックするとYahoo!映画のページに飛ぶので、興味を持っていただけたらそちらからストーリーなど見てみてください。)
目次
The Pool Side Days
夏って、他の時期より5割増しで青春映画が恋しくなるのはなぜなのでしょうか。
この作品の後も2作ほど青春映画を紹介するのですが、そのなかでも一番胸がグゥゥってなるのがこの作品です。
たぶんそれは主人公のダントンがめちゃめちゃ根暗だからで、
自分と通づるところがあるからっていうのが一番の理由ではありますね。
でもそれとは別に、苦しいけど自分がどうしても身を置かなければならないコミュニティと、そことは全く関わりのない息のしやすいもう一つのコミュニティ、ふたつの円にいるからこそひとつ大人になって行く姿がもうなんかたまら〜〜〜ん!!
避けようのないものとどうやってうまく関わっていくか、息抜きはどうやってしたらいいのか、これは何歳になっても永遠の課題なんじゃないかな〜とおもうので、それに初めて直面している姿がもう眩しいですね。
そしてまた、オーウェンが素晴らしい!
青春のそばの大人は、子供と同じ立場に降りてきてくれることが多いんですけど、オーウェンに関しては本人も同じ立場というか、もちろん大人なんですけど、ぐるっと回って同じ高さに戻ってきた人、みたいな…(表現がうまくできませんが)
大人と子供どっちも持ってるからこそダントンにとってのめっちゃいい目印になるというか。
こんな年上の友達が一人いたら大人になったときの世界の見え方が変わりそうで、ちょっと羨ましくなっちゃいます。
根暗な人が自己投影しながら見るのもよし、大人の立場で暖かく見守るのもよし、いろんな立場から見るのがとても楽しい映画なので、何度か観てみるのもおすすめです。
ウォルター少年と、夏の休日
青春映画2作目です。
これはもう昔からず〜〜〜〜っと大好きな映画で、たまに発作のように見たくなる作品の一つです。
(また別の機会に、発作のように見たくなる映画を何本かブログに書いてみようかと思います。)
とにかく透き通ってる、気持ちのいい風が吹いたみたいな感覚になる作品です。
これ、絵作りとして面白いのが、前で紹介したプールサイドデイズは、キラッキラの光と水で夏の色を出していたのですが、
こっちは埃っぽい、全体的にくすんだ色で夏の景色を作っているところです。
ものすごい武勇伝を持っているけどもう老いたオジイ二人が住んでいる場所なので、その表現としての田舎のボロ家の色が全体的なイメージに繋がっているところはあるのですが…、(意外と植物とか空、あと外からやって来る人たちの車とかは鮮やか)
もちろんその2作品は製作年が離れているので、技術的にそうなってしまったのかもしれないんですけど、
デザイナーとして制作しているとやっぱり夏の色といえば彩度がパーンと明るいものを選ぶ、みたいなセオリーがあるのでそこからそれている画面がとっても面白いし参考になりまくりですね。
じゃあなんでくすんでいるのに夏に見えるんだろう?って考えると、「影が濃い」からだと思っています。
夏の一番の特徴の暑さ、は太陽の光の強さ、つまり影の濃さ、なので、そこを抑えると結構どんなトーンでも夏らしさの大事な核は踏み外さないですむんじゃないかな〜と、思ったので今度絵を書くときは実験的にやってみようかと思います!
レビューが色のことばかりになってしまいましたが、ストーリーは私がいろいろ言うのも無粋なぐらい素敵な作品なので、
いろいろ疲れちゃったからゆっくり麦茶のも〜みたいな気持ちのときにぜひ、どうぞ!
リンダリンダリンダ
青春映画3作目です。
青春映画の醍醐味中の醍醐味、結局何も進展しないし成長もしない、ただその間の時間のあれこれを切り取っただけ。
を一番最高にやってくれてます。最高〜〜〜〜!!!
なんも起きてないんだけど、本人たちからしたらめちゃめちゃ目まぐるしくいろんな事が起きすぎて、
1日がちょ〜〜〜〜〜〜〜長い!大変!みたいな、もう本当に愛おしくてぎゅってしたくなりますね。
セリフもあまり多くのことを説明しない、だからこそ主人公のソンを演じるペ・ドゥナさんの透明感がまたより一層美しく見えてきます。
そして説明が殆どないのにめちゃめちゃ彼女達の性格がわかってきたりとか、関係性も伝わってきたりとか、
なんか同じクラスに所属していて遠くから見ているみたいな気持ちになってくるのがすごい面白い作品だと思います。
で、また、演奏する曲がブルーハーツっていうのがもうエモーショナルすぎる!!
青春とブルーハーツ、最高すぎて混ぜるな危険です!
作品のトーンとしてはぬるめの水道水ってオーラがあるのに、
観てるこっちはキンキンに冷やしていたはずの麦茶がぬるくなっちゃうくらい気持ちが熱くなっちゃいます。
なにかドラマチックなストーリーがあるわけではないので、物語に起伏がないのが苦手な方にはおすすめできませんが、
何も起きないのがめっちゃ面白いので、そういう作風が好きな方にめちゃめちゃ見てほしいです。
青いパパイヤの香り
これ、めちゃめちゃ静かで説明が少ない映画なので、眠たいときに見ると100%寝ます。
わたしは夜中に見てしまったがために、完走するのに3take必要としました。
舞台がベトナムで、暑い時期のお話なので、暑い日に麦茶を飲みながら見ると没入感が割増っていうだけでここに選びました。
でも本当に鑑賞のお供に麦茶めちゃめちゃ合う。ポップコーンとかは今ちょっとくどいからいらない、みたいな雰囲気の作品です。
画面から、むせ返りそうな暑さと緑の匂いがしてくるくらい、セットのリアリティがものすごい。
視覚と聴覚の情報しかないのに匂いとか肌の感覚まで呼び覚ますってものすごいパワフルな表現力ですよね。
タイトルに「香り」ってついているので、香りを無意識のうちに想像しやすくなっている部分はあるとはいえ、わたしもものを作る人として、めちゃめちゃ尊敬します。
作品の前半は主人公のムイが10歳、後半でその10年後になり20歳になるのですが、
青かった香りが、熟した香りになる、みたいな、画面から漂ってくる匂いがみごとに変わるのがとても魅力的で、
なんならストーリーとか気にせずその部分だけ切り取ってみちゃってもいいくらいです。
そして、言葉の説明が本当に少なくて、大事なことはすべて画面で語ってくるのもとても好きなポイントです。
もう説明少なすぎて宗教絵画か?みたいなレベルでいろんなモチーフがいろんな出来事、物事を象徴していて、とってもたくさん頭が動きますね。
なんかいろいろ検索するとあれはああでこれはこうで、みたいな考察がたくさん出てくるので、
一回観て、調べてみて、もう一回観て、あ、でも自分はこう思うな〜って考えるのが楽しい作品なので、考察をたくさんするのが好きな方におすすめです。
300
最後だけちょっと毛色が違いすぎるんですが、夏はこんなかんじの汗臭いのを高みの見物的に鑑賞するの超楽しいです。
これに関しては麦茶もいいんですけどアイスとかね、炭酸水とかね、そういうのも似合います。
汗臭い映画は古今東西様々ですが、単純にわたしが300大好きなのでこれをピックアップしました。
(正直言うと夏とか関係なくいつでも見たい作品ですね)
一応歴史上にあった戦いをモチーフにはしているんですが、かっこよさだけを追求しているのでこれはファンタジー作品です。
(歴史上のあれこれと同じ名前がついてるぐらいに捉えるので十分じゃないでしょうか。)
なので画面としても、絵巻物というか、伝記を伝える絵画みたいなタッチになっています。
そして影が強めに出ているので、よく動く筋肉がめちゃめちゃ堪能できます。
レオニダス王、とにかく一本筋が通ってる姿がかっちょいい〜〜!
なにかストレスが溜まったときとか王のことを思い出すと意外となんか強気になって乗り越えられるっていうライフハックもあるくらいですからね。私だけかもしれませんが。
明らかに勝ち目がなかろうと、光を絶やさないために肉弾で突撃していく、なんともアナログな考え方でもうたまんないですね。
でもこの猪突猛進さって、ここまでではなくても必要になるときがたまにあるので、やっぱり心に一人はレオニダス王を住まわせておいたほうがお得です。
そしてこれ、王ももちろんなんですけど、女の私としては王妃がとっても憧れますね〜。
絶対に屈しない、折れさせようとしてもぜったいに折れない。
でもそれは王や家族や国へのゆるぎのない愛情という前提があるからブレずにいられるわけで、もうその愛情の深さがなんか、え、ほんとうに!?そんなすごい人いる!?みたいな…、とっても美しい。
そしてそんな王妃に愛されてるもんそりゃ王もブレないよな、似た者夫婦すぎますね。
一応ストーリーはあるけど、よく動く筋肉を何も考えずに見るのが楽しい映画なので、筋肉好きにもおすすめできます。
まとめ
以上、ざっと思いついた5作品について簡単に紹介しました。
(ストーリーについて書くと、絶対ネタバレ書いてしまうと思ったのでそのへんには触れないようにしてます。)
涼しい避暑地的な作品より、じっとりあっつい雰囲気の作品のほうが好きなので、5作品とも視覚的には涼しくないのですが、
エアコンで部屋の中は涼しいはずなので、体感的には快適で問題ないかと思います!
これからもしばらくは麦茶の似合う時期が続くと思うので、外に出たくないときの参考になればとっても嬉しいです。
今回は夏に似合うというテーマだったので、雰囲気についての視点からでしたが、普段見ているときはそれと同時にデザインや画面構成からの視点でも観ています。
なので次回紹介記事を書くときははデザインよりな視点で作成してみようとおもいます。