カメレオン色

自然界の色には理由があるんです

花の色、動物の模様、魚の体色――それぞれの色には、ちゃんと意味がある。
そんな視点で自然界を見てみると、思わず「なるほど」とうなる色の秘密がい
ろいろ見えてきます。

【 花が鮮やかなのは虫を引き寄せるため 】


これは多くの人が知っている話かもしれません。美しい花の色には、ちゃんと意味があるんですね。
同じように、北極の動物が白いのは雪景色にまぎれて身を隠すため、
果物が赤く熟れるのは「食べごろだよ」と動物にアピールして種を運んでもらうため——
これらも、比較的知られた自然界の“色の戦略”です。

他にも思わず「なるほどと!?」と頷くような色の秘密が自然界にはたくさんあります。

【 深海魚の赤は“目立たない”色だった 】

赤は派手な色…と思いきや、深海では光が届かないため赤色は見えなくなります。


つまり赤は、深海において“目立たないための色”。
捕食されないように身を隠す手段として、逆転の発想で選ばれた色なのです。

【 オスだけカラフル、メスは地味なのはなぜ? 】

鳥や爬虫類に多く見られる“オスは派手、メスは地味”な配色。


これは、オスが繁殖相手を惹きつけるために目立つ一方、
メスは敵から身を守りながら卵や子どもを守るため、あえて目立たない色をしていると言われています。


色が「役割」によって変わる例ですね。


【 紅葉の赤は虫よけ!? 】

秋の赤や黄色に色づく葉。


その美しさの裏には「虫に食べられないようにする」という目的があるという説も。
特に赤い色素(アントシアニン)は抗酸化作用があり、虫から身を守る“最後のひと働き”をしているかもしれないんです。

【 青い蝶の羽には、青い色素がない!?】

モルフォ蝶などの青い羽は、実は“色”ではなく“構造”。


羽の表面にある極細のうろこが光を反射して青く見せているだけなんです。


これは「構造色」と呼ばれる現象で、見る角度によって輝きが変わるのも特徴。目立つだけでなく、視覚的なインパクトでライバルや敵にアピールしていると言われています。

レクサスの「ストラクチュラルブルー」はこの構造を取り入れ青色の顔料は一切使わず、 従来はなかった質感や深みのある塗装を実現したそうです。


デザインの現場でも、色はただの飾りではなく「伝える手段」のひとつです。
たとえば、「目立たせたい」「信頼感を持たせたい」「安心感を与えたい」——
その目的によって、選ぶべき色も変わってきます。

自然界と同じように、色には“理由”を持たせることが大切。
意図のある色使いは、デザインをもっと強く、もっと伝わるものにしてくれます。

ちなみに、カメレオンは、周囲に溶け込むために色を変える——
と思っていませんか?
実は、それだけじゃないんです。
気になった方は、ぜひ調べてみてください。